いよいよ消費税が10%に!歯医者のお会計は!?

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

暑かったり寒かったり、体温調節がむずかしい今日このごろです。

・・・危険なのは床やソファーでの寝落ちでございます。ご注意されたし。(経験者談)

 

さて、消費税が10月1日に8%から10%にあがりますね!

飲食業界などは、各社それぞれ対応に追われているようです。大変です。

軽減税率とかムズかしいですね・・・でも官僚の人も一生懸命考えたんだと思いますが・・

ゴタクはいいですね。ごめんなさい。さっさと歯医者の消費税はどうなるか申し上げます。

 

結論から申し上げますと、保険診療では、初診料が237点→251点に、再診料が48点→51点に、

それぞれ上がります。(自由診療は8%から10%になります)(10月1日診療分から)

実は、もともと半年ごとに料金の改訂は行われていまして、北海道から沖縄まで、全国一律で決められております。

どこかの歯科医院だけが高いとか、安いとかはないのですが、金属の値段は上がったり下がったり、日々かわりますが、そうしたことを反映させるため、適正な価格ということで半年ごとに変わっているのです。

 

 

つまり保険診療では、3割負担の方は初診料金は42円、再診料金は9円上がるワケです。

1割負担の方は初診料金は14円、再診料金は3円上がるワケです。

そのほかは原則変わりません。そこだけが変わります。

 

・・・つまり、たとえば、かぶせものを入れて、今まで3000円に1.08をかけて3240円だったけれども、

10月1日からは、3000円に1.10をかけて3300円になる、という仕組みではない、ということです。

 

ですから、かぶせもの、ブリッジ、入れ歯などの保険治療をお考えのかたで、

「ケッ。10月になっちゃったよ。消費税あがったから結構高くなるはず。そんなんなら歯医者行かないゼ!痛くもないし、放置放置(^^♪」

このようなお考えは間違いですので、どうかこのようなお考えはなさらないよう、お願い申し上げます。

上がるのは、42円です。(3割、初診)

 

それよりも放置して、おおごとになったほうが結局、不経済だと思いますよ~!

 

では、今日はこのへんで。ごきげんよう。

 

 

 

 

 

美しき流れ

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

皆さまご予約がとりにくい(予約枠が少ない)日が続き、大変ご迷惑をおかけ致しました。

申し訳ありませんでした。

 

ようやく「新規指導」が終わりました!

新規指導とは、何かやらかしてのお呼び出しとかではなく、新しい医療機関はすべて、

開業から1年程度以内に、お上に呼ばれて、日常の診療のチェックを受けるものです。

新しい歯科医院は誰もが通る道なのであります。ふぅ、疲れました。

その準備が大変で、私が事務作業に追われ、診療の枠が少なかったのでございます。

 

しかし特に問題なく無事おわりましたので、診療にまた専念できます。良かったです。

 

お上の先生のアドバイスもとてもためになり、皆さまに還元できるような、とてもなるほど、と思うような

講習内容でございました。感謝です。

例えば、歯ブラシのお話しを衛生士さんがするとき、一般的な歯ブラシの仕方のお話しもそれはそれでいいが、

その方が特にどこが磨けていないから、まずはそこだけどのようにしたら磨けるのか、ポイントをしぼって

まずは衛生士さんにお願いするべきである、そのうえで全体的なお話しは患者さんが興味があればまたは必要あれば行っていく・・・たしかにごもっともでございます。

勉強になりました。素直に取り入れていきます。

また、町田歯科医師会の先生にもご多忙の中いらっしゃっていただき、本当に心強く、

ありがたかったです。感謝感激しております。

町田歯科医師会にはご経験豊かな先生方がたくさんいらっしゃり、私のような若手もいる(といっても私40ですが)。中間の年齢もいらっしゃる。新規指導に歯科医師会の先生が一緒についていってくれるって、こんな心強いことはないですよね。

町田だけなんでしょうかね。ほかの自治体はどうなんでしょうね。町田最高。入って良かったです。

昔勤務医時代、一人で行ったことがありましたが、それはもう心細くて心細くて。大変でした。

まさに昔の大河ドラマ、「信長」で加納随天が言っていた、日本の

『美しき流れ』だなぁ、と感じました。これからも一員として微力ながら精進致します。

 

では今日はこのへんで。皆さま、ごきげんよう。

 

 

 

勇気 、 素直

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

暑いですね~ 陽射しも暑い。地面の照り返しも暑い。ふぅ。アイスの訪問販売ってないのかなあ。

 

当院でも熱中症に気をつけよう、とのポスターを貼っていますが、水分補給は大事ですね。

ミネラルも補給できる某ポ○リスウェットの会社は、長時間手術で疲れたお医者さんが点滴をガブ飲みしているのを見てポ○リスウェット商品アイデアを思いついたとか。すごいですね。

熱中症対策として、やはり就寝時はエアコンを少し涼しいくらい、(男性25度、女性27度)がいいらしいのですが、

皆さま、それって受け入れられますでしょうか???

 

長年エアコンをつける習慣がなかった方や、28度以上や、途中で夜エアコンを切ってしまうのがちょうどいいと経験的に信じ込んでいる人に対して、命の危険があるからといっても、なかなか受け入れてもらえないだろうなあ、と感じました。

「昔なんか扇風機しかなかったし、窓を開けて寝てた。なんでもないよ。」というお声が聞こえてきそうです。

でも、その時より地球の温度、上がっていませんか??

 

人によっては、いくら正しいと主張しても、のどがいたい、眠れない、いろいろな理由から、否定してくるのではないでしょうか。でも、熱中症については、それでも上記の温度が正しいということなのだと思います。

 

習慣とはおそろしいものです。盲目です。思考停止です。ルーチン化です。

いつの時代も、何才になっても、やはりフラットに、素直に人や専門家の意見をきく耳を持つ、

もしかして正しいのかも、自分が間違っていたと思ったら、みとめる勇気を持つ。難しいですねぇ。

 

勇気、そして素直。これぞ最強でしょうか。

 

歯科の患者様でもそういう事例は山ほどあります。

・「自分はムシバになったことがないから、歯医者など縁がない。必要ない。」

ムシバの菌と歯周病の菌は違う菌なんですね。。。ムシバが一本もなくても、歯周病で次々と歯が抜けてしまうかもしれません。

やはり検診やクリーニングは必要なんです。

 

・「この入れ歯、30年使ってる。なんでもかめるよ。」

歯グキは必ず少しはやせたり変化があります。実はあっていないのに、道具としての入れ歯に慣れて、使いこなしているだけです。使いこなしているのはすごいですが。健康とは限りません。傷になっていてもかたくなってしまっているだけかもしれません。食べかすのつまりがすごいかもしれません。

 

・「歯石とりで麻酔???きいたことない。麻酔なんかしてとったことないよ。おかしいんじゃないの?」

縁下歯石といって、歯グキの中にある、ある程度すすんだ歯周病の治療としての歯石とりは、麻酔しないと痛くてしっかりとれない場合が多々あります。それどころか、ふつうの歯石とりでも、麻酔することは別に変とかおかしいとかではありません。保険でもみとめられています。

 

・・・枚挙にいとまなし、です。

 

じゃあ、オマエはどうなんだ、というお言葉をいただきそうなので・・・

 

・「国家試験的には、歯科医療の治療方針は、証拠や統計に基づいた文献に基づく治療をすべきで、自分の経験や先輩や友人の意見に左右されて治療方針を決めるべきではない。経験則に基づいてはいけない。それは正しい医療とは言えない」

実は、自分の経験に基づいた医療(DBM)や、先輩の意見に基づいた治療は、国家試験的には×!バツ!なんです。

でも、つい経験に基づいちゃいますよね・・・文献文献。でもあまり頭でっかちでもねぇ。どうでしょうか。

各分野の治療のガイドラインを定期的にチェックするのは、絶対必要ですがね。

 

・・・自分も、勇気と素直。なるべく頑張ります。

では今日はこのへんで。ごきげんよう。

 

血が通っていますので

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

ようやく晴れが増えてきたと思ったら、また今日は雨ですね。高気圧さん頑張ってください。そろそろ。早く!

 

さて最近血液サラサラにするお薬を飲んでいる方も多く、他の歯医者さんで治療を断られた、などという方も結構いらっしゃいます。

質問も多く、今回はそういうお話しです。

 

抗血栓薬といって、血をかたまりにくくするお薬の話です。血液がつまったら命にかかわる方に処方されています。また、予防的に出されている場合もあるようです。

若い歯科医師にとっては常識かもですが、血液サラサラのお薬を抜歯のためにやみくもに歯科医師の判断で止めてはいけない、というのは、学校でしつこく習います。

私も学生時か研修時か忘れましたが、内容ははっきりと記憶にあり、こんなやりとりの授業でした。

 

口腔外科の先生「高岡君、抗血栓薬はどうするんだっけ?抜歯の時?」

私「止めないんですよね、歯医者が勝手に。」

先生「そう、命にかかわるからね。勝手にとめて血栓になったら患者さん死んじゃうからね!ぜったい止めるなよ!」

私「(ややしつこさにウンザリしながらも)わかりました。絶対とめません。」

先生「患者さんが予防的に飲んでるだけだから、と言っても、最低限担当のお医者さんと相談しなきゃダメだよ!止めないよ!」

私「わかりましたって!予防的と患者さんが自己申告しても止めません!」

先生「じゃあ、わかったら良し。かえっていいよ」

私「では、失礼します」

(ドアを閉めかけて)

先生「血栓薬は?止めないんだよ!!!」

私「とめませんから!!(泣き顔)」

 

・・・とても話しやすい、いい先生でした。S本先生というのですが。尊敬してます。でも冗談でなく、これくらいしつこかったのです。本当の話です。

当時、実際に、「歯医者が勝手に抗血栓薬をとめて困る」という苦情が内科医の間でよく言われていたらしいのです。

ペーペーだった私でも、その重要さは理解できました。浅い理解のまま、全身にかかわる薬を、歯医者が勝手に裁量してしまうと、命にかかわる場合があるのだろうなあ、と。以前、歯医者がすぐフロモックス(抗生剤)ばかり出すから、効かなくなるだろうと怒っていた医学部の先輩がいたし。

 

・・・そして臨床に出ました。

実際はそんなに生易しい、単純な話ではありませんでした。

あれだけしつこくすりこまれたので、当然わたしは、血液サラサラのお薬を飲んでいるかたで、簡単な抜歯なら、止めませんでした。薬を。教わった通りです。しかし、午前抜歯した患者様から、夜電話がかかってくるのです。

患者様「まだ出血がとまらないんですけど?」

私「えっ  ガーゼをでは1時間ほどかんでください、でも心配ならいらっしゃってください」

 

・・・中には、翌日の朝起きたら、枕が血だらけだった、翌日だけどまだ少し止まらなかった、など、

患者様もかなり不安になっておられる事例がけっこうあり、私自身、動揺しました。と同時に、わかりました。

 

そっか、だから歯医者は止めたがるんだな、抗血栓剤を。と。

だって最終的に止まらなかった患者様はひとりもいませんでしたが、その間は患者様は不安で、最初、初診時、「別の歯医者ではできないと言われたけど、止めなくていいならいいや。少しくらい大丈夫、やっちゃってください!」と威勢がよかった方も、うってかわって、どちらかというと不信や不安のほうが強いように見えたのです。

不信や不安に思われては、やはりだめです。だから、歯医者は止めようとするのか、とわかりました。

 

最近、ガイドラインを見て正式なやり方を調べましたら、TNRという値があり、その値によって、内科医の先生と対診(相談)して、決めるのが、正しいようです。

 

でもよく考えると、実は基本的なやり方で解決するんですよね。つまり勝手に歯科医が判断せず、かかりつけの内科医(正しくは循環器の先生でしょうか)に相談すればいいだけ。

 

血は当たり前にわたしたちに通っているものだけれども、実際に自分から結構出ると、かなりあせってびっくりしてしまう。

そりゃ誰だってそうです。

 

やはり説明が重要ということでしょうか。

では、今日はこのへんで。ごきげんよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木を見て森を見ず

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

エアコンは、冷房よりドライまたは除湿を使ったほうが、実は涼しかったりすると思っている今日このごろです。

 

さて、歯科で使う白いつめものについて、最近よく仕組みはどうなっているのかご質問をいただくので、お話しさせていただきます。

基本的に保険がきかない、セラミックはさておき、今日はコンポジットレジン(保険がきく白いつめもの)に関連するお話しです。

 

・・・歯医者で、ピッ    ピッ    ピッ  とかいう音って、いったい何をしてるんだろうか、

と思っていらっしゃる方も多いと思います。根の治療で使う道具も、ピコピコいうのはありますが、

コンポジットレジンとは白いつめもので、白い樹脂(樹脂=プラスチックと思ってください)は、光で固まるのです。

今回はこのコンポジットレジンと、光で固める道具(照射器)のお話しです。

 

そもそも、液体状だったり、やわらかいプラスチックが、光を当てると固まるというのは大発見でした!!!

素晴らしい!!白いつめものへの期待がふくらみましたが、あまり普及しませんでした。

なんででしょうね・・・

それは、紫外線を使っていたからです。

最初は、樹脂が、紫外線でしか固まらなかったからなのです。イヤですよね。紫外線。患者様もイヤでしょうし、われわれ医療従事者も、いっつも見るわけですから、イヤです。普及しませんでした。

 

しかし!!!医学の進歩は素晴らしいのです。紫外線ではなく、可視光線(目に見える光。紫外線は含みません)で固まるレジンが開発されたのです。(正しく、詳しくは、カンファーキノンという物質。光で固まる反応を開始させる物質です)

 

皆さん、そうしたらどういう展開になるか、わかりやすいですよね!

当然、紫外線を含まない、可視光線(波長が400ナノメートル以上)で固まるレジンと、光照射器、の組み合わせなら、流行っていきそうですよね!

実際そうなりました。それこそが、わたしたちの暮らしを向上させてくれた、保険がきく白いつめものの実態なのです。

ではあの青い光は、ジッとみてもいいのでしょうか?

紫外線は入っていませんが、歯に反射した後の光を、ずっと見続けると、目にわるいという報告があるのです。

それを受けてちょっと整理しますと・・・

 

①患者様の場合

歯に反射した光を見続ける状況があるか?

ないですよね。まず、タオルをかけている歯科医院に通っているアナタ!なら、100パーセント大丈夫です。ご安心ください。

見ようと思っても見えません。

タオルをかけていない歯科医院の場合、照射する器械(照射器)は、基本的に先端は口の中にあるので、直接光をみることはできないと思います。

では歯からの反射光はどうか?目を見開いていれば、反射光は目に入ってくる可能性ありますよね。

でも、ジッと見続けた場合のみ有害な場合がある、程度なので、基本的に大丈夫でしょう。

②医療従事者の場合

歯に反射した光を見続ける状況があるか?

歯医者は明らかにありますよね。みないでどうやって照射するのでしょうか。やはり、オレンジ色の板などで、反射光は見ないようにしたほうがいいですね。正確な治療のためにもです。

歯科衛生士さん、助手さんなどアシスタントはどうか?

歯科医がどこに照射するかを見定めて、オレンジ色の板だけ出したら、目を背けた方がいいですね。反射光をジッと見る可能性は多いにあります。

 

以上をふまえて、皆さま、ご心配なく。タオルをかけている歯科医院なら、(ほぼかけていると思います)まず患者様の大切な目が、有害な光にさらされることはありません。

また、紫外線は最近の照射器には含まれていません。ご安心ください。

 

 

・・・「紫外線がでているので、目をつぶっていてくださーい!!」

もしこんなことを歯科医院で言われたら、おや???と思われても仕方ないですね。

患者様を守るために、あえてそうおっしゃっているのかもしれませんし。やさしさだと思ってください。

 

では今日はこのへんで。ごきげんよう。

 

 

つばが出るのは・・・

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

昨日は梅雨らしい雨でしたが、今日は晴れてますね~朝から当院近くの提携駐車場も満杯!イベントでもあるのかしら。

 

さて、先日、歯科医師会関係の講習会にいってきました。

カプサイシンの刺激が、唾液を誘発し、口腔乾燥症(カラカラ口がかわきやすい状態)の予防になるかもしれない、

とのことでした。

すごいですね~。私などは、辛いという感覚は痛いという感覚だということまでは知っていましたが、そこで思考停止しておりました。

唾液には抗菌物質なども含有されており、時々、つばが出すぎて困るという患者様がいらっしゃいますが、基本的にはつばが出すぎるのは良いことです。出ない方が、お口の中のトラブルのリスクやはり上がります。

もし認知症になっていらっしゃる方に、辛いものが好きか嫌いかわからない状況で、人工唾液カプサイシン入りなど、なにかそういうものを試してもらって、辛いものが大嫌いで、むせかえって苦しかったらかえってかわいそうですし・・・

一層の研究が待たれますね~。

では今日はこのへんで。ごきげんよう。

薬を出さないという考え方

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

暑いですね~! スタッフルームが暑く、扇風機を導入しました。

 

今日はおくすりのお話しです。

 

皆さまは、歯医者に行って、思うように薬が出してもらえなかった経験をお持ちではないでしょうか?

オヤシラズの抜歯の後、もっと薬がほしいのに、これ以上出せません、と言われたり、

もっと強い薬がほしい!といっても、無理です、と断られたり、違和感や炎症があるっぽくても、薬がでなかったり・・・

 

先生の方針の場合を除いて、やはり、保険のルールと言われたことがあるのではないでしょうか?

それは残念ながらその通りで、保険診療というのは、病名に対して、治療法があり、症状が強いときに出すのが薬である、というような考え方です。

なので、予防的な大量の薬や、念のための薬、また、病名に対して、出せる種類もおおむね決まっており、それが理由なのです。

保険のシステムを考えれば、なるべく無駄のないように、仕方がないのかな、と思います。

 

具体的に、保険で通らない、とはどういうことなのでしょうか。

例えば、一か月に、抜くべきか、根の治療をすべき歯を、クリーニングと薬だけで様子見てしのぎたい、という人が、ボルタレンを月30錠もほしがり、歯科医院も出したとします。

それを、保険者などが審査し、適切でないと判断されれば、そのお金は、歯科医院には払われないのです。3割負担のかたなら、7割です。しかも!その月の診療分(その患者様についての)が丸々支払われないので、つまり、クリーニングの分のお金も支払われません。

こういった背景が、なるべく安全に、薬を出しすぎない、という動きにどうしてもつながるのは無理ないと思います。

決められたルールの中での診療。従うより仕方がありません。

 

しかし!今日のお話しのポイントはそこではありません。

皆さまが薬を思ったようにもらえない、というのは、2パターンあると思います。

①上記のように、量をたくさんもらえない。もっと強い薬がもらえない。

②自分の今の症状なら、薬が出るかな、出てほしいな、と思ったが、もらえなくてガッカリ絶望した。

 

・・・①は、大変申し訳ございませんが、あきらめてください。保険制度はいいところもたくさんあります。仕方がないです。

しかし、②はどうでしょうか?研修医のころから、現在まで、例えば、患者様が、お顔がはれたり、歯ぐきが腫れたり、歯が痛すぎるなどの症状で、病名は、(ちょっと専門的になりますが)、むしば、歯周病の発作、神経までいく虫歯、根が膿んでいる虫歯、などになりますが、それで、歯科医師の判断で、薬を適量(多すぎず)出して、絶対ダメだと言われたことはありません。神経までいく虫歯の診断で、とりあえず薬(痛み止め)を出して、不適切だという判定をみたことがありません。顔が腫れていらした方に、とりあえず抗生剤を出して、不適切だという判定をみたことがありません。

 

②の時は、場合により、薬を出さないお考えの先生もいらっしゃいます。過去何度もいろいろな場所で、そういう先生と仕事をしたり、一緒に学んだりしました。ある程度は、信念に似たところがあるのではないかと思います。もちろん否定できません。それはそれで筋が通っています。学術的ななるほど、という理由も多いです。

また、薬が効いて安心してしまって、通院が必須なのに、通院しなくなってしまう患者様がいるのも、事実なのです。

 

しかし、私は、そうした考えになれません。自分や家族が過去、医療機関に行った時、薬が予想外に出なかった時の絶望感がわかるので、それはどうしてもできません。どうしてくれないんだろう。なぜ?なぜ?なぜ???

どんどん症状が悪化しそうです。病は気から、ともいいますし。

 

なので、町田エブリー歯科では、そのような時 (②のケース)は、なるべく薬をお出しするようにしています。

リスクが無いわけではありません。たまには、お上から突き返されるかもしれません。学術的ではないのかもしれません。

でも、私は、勝負します。薬を出します。

 

では、今日はこのへんで。ごきげんよう。

しちしょうしちきん(七縦七擒)

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

暑いですね~  最近、当院の入っているビルが修繕工事をはじめました。入口がやや入りにくく、申し訳ありません。

工事の人は、ものすごく暑いなか頑張ってくれていますが。

 

さて、私はけっこう中国史が好きで読んだりしますが、学ぶところは多いですね~。

三国時代、蜀の名将、諸葛亮公明は、敵将、蛮王孟獲(もうかく)を捕え、自分の陣形を教えて放してやった。それを7回繰り返した末に、孟獲はついに恐れ入り、以後はそむかなかったということから、敵を7回つかまえて7回放すこと、らしいです。

いやあ、すごいですね。まず、昔の中国です。1回ヤバイ奴を捕まえたら、ふつうは終わりでしょう?

ギッタギタにされそうですよね・・・

それを、自分の陣形、手の内まで見せて、7回も逃がすとは・・・長期的にみて、他と敵対するには、背後の孟獲は、心底から感服して、忠誠の状態にしていないとダメとの判断なのでしょうね。でも凄すぎます。

 

え?もし私が足を引っ張られたら?7回も?そりゃ許しますよ(^^)もちろんです。1回くらいはもちろん華麗にスルーですかね。

いやいや、違います。

そういうお話しではなく、この諸葛亮公明の七縦七擒から私が想像したのは、ムシバの菌です。

よく、かぶせものやつめものがとれたりして、あるいはちょっと痛いことがあった、など、7回くらいなんらかの症状が出ても、宿主、将軍、君主である皆さまの中に、7回くらい、許しちゃってる人!いますね!そういう諸葛亮さん!

ムシバの菌にしてみれば、7回も治療されてしまうチャンスがあったけど、(特にとれたけど、またすぐ着け直すなど)7回も見逃されたら、超ハッピー!ラッキー! 繁殖していいってことですね!!!でしょうね。。。

学生時代に、先生に言われたことで強くひびいたことがありました。

実は何科の先生だったか、忘れてしまったのですが。

「症状で出ているものを、無視してはダメだよ。」

ですよ!皆さん!二縦二擒くらいにしておきましょうね!

では今日はこのへんで。ごきげんよう。

 

抜くのが正しい?抜かないのが正しい?

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

暑くなってきましたね~  蒸す日も増えてきました。

 

さて、ご質問をいただくことに、ほかの歯科医院さんで、抜くしかないと言われたが、ほかに方法はないのか、というものです。

結論を先に申しますと、①どの歯科医師がみても抜歯だろうというケース②歯科医師なら抜歯の理由に納得できるが、常識的な感覚とかけ離れていて理解されない結果、まるで悪者のように扱われてしまうケース③抜歯も非抜歯も考えられるケース④まったく抜歯の必要がないケース  のおおむね4通りかな、と思います。

①ですが、歯が激しく折れたり根まで割れたりしているの場合が多いように思います。患者様も納得される場合がわりと多いです。痛みが無くても、細菌をそこで育てているようなものですからね。

③はいろいろです。④はひどいですね、同業者として恥ずかしい限り。

正直、一番大変なのが②です。ではその例を挙げます。

 

(1)大学病院時代の話です。Aさんが抜きたくないのは、半分埋もれている親知らず(下の親知らず)で、歯が黒くなっている状態。抜きたくないとのことでわざわざ大学病院に来院。むしば外来が、以前、保存科という名前だったこともあってか、患者様は、半狂乱のように主張されていました。「虫歯だけとれば、削ればいいのに!なぜですか!」 上の先生と2人1組で、新患係をやっていた時です。上の先生は、「抜歯が適当です。虫歯の治療では治りません」と毅然としておっしゃっていました。豊富な知識と経験に基づいた毅然とした態度に、憧れをいだいたのを覚えています。

自分なら、あそこまで言い切れないと思ったからです。

 

いったい、半分埋もれた親知らずの虫歯。なぜ抜歯なのでしょうか?

まず、虫歯が見えるところにあるだけとは限りませんし、その歯を私も実際に見ましたが、歯グキの中に埋もれている部分も、黒いのがのぞいてまして、削る治療で虫歯をとりきれるとも思えませんでした。なので、虫歯をとりきれない可能性がある時点で、治らない事が確定してしまいます。

また、歯グキも腫れ、いわゆるオヤシラズの炎症になっており、抜かずに改善するとも思えません。また、仮に虫歯をとりきれたとしても、場所的にきちっと磨くのは不可能です。つまり近いうちの再発が確定しています。

ただ、一般の方の感覚はどうでしょうか?

もちろん虫歯はとりきったほうが良い、と思われるでしょうが、「特にひどいやわらかいところ、特にひどい黒いところをとりきれば」「ある程度の成果は期待できる」・・・なんて思っている方のほうが多いのではないでしょうか。残念ながら、とるべきところを少しでもとらなければ、必ず虫歯はすすむし、再発します。

「きちっと磨く」とは何か?一般の方の感覚は、毎日毎食後、そこを意識して、歯ブラシを入念にする。うがいもして仕上げる。

ではないでしょうか? まったく違います。少しでもプラークや食べかすが、歯グキの中にでも残っていれば、磨き残しです。

細菌はすごく小さいのです。簡単に繁殖します。

 

(2)例をもうひとつ。やはり大学病院の時の話しですが、根の治療に使うゴムのシートが、歯が小さいか短すぎて(補強もできず)、そのゴムのシートがかけられない歯がありました。膿んでいるので根の治療が必要ですが、なんと!

その正確な治療に必要な、ゴムのシートが使えない、かけられないから、という理由で、抜歯が適当という診断、説明になっている例を目撃しました。その方はあっさり納得していましたが。

しかしふつうは、これは、一般の方には到底納得できないと思います。

でも、学術的には、正しいと思います。根の治療は、できる限り清潔に、汚染されない環境を目指してやるものだからです。

 

あとは・・・現代医学の限界、まだ知られていない事実、じつは一般の方の感覚が正しかった、ということがまったくないとは言えない、ということが、希望を抱かせてしまっています。

だって、誰だって、水泳のクロールは、足を激しくバタ足したほうが進むと信じてたと思うのですが・・・そうでもないと最近判明。なにせ、わたしたちのまわりをただよう物質だって、ほとんどがわかっていないというではありませんか。

 

やはり、説明をしてさしあげ、選んでいただく。それしかないのかもしれませんね。

 

では今日はこのへんで。ごきげんよう。

 

 

 

 

 

歯を削る量くらべ

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、早速ですが、かなり多く質問をいただくので、ここでもお話しさせていただきます。

「詰め物って、保険がきく金属と、樹脂と、保険がきかないゴールドと、セラミックと、ジルコニアと、どれが歯を一番削らないんですか?」

というご質問です。

詰め物の各材料の特徴は、削る量だけで、メリットデメリットをお話ししきれるものではありません。それだけおことわりさせてください。

 

一番削らないのは・・・・・・・

 

なんと保険がきく樹脂(コンポジット・レジン)です。

 

虫歯をとりきった結果、陰になるところがあっても樹脂なら流し込んだり押し込めば詰められるのですが、ほかは全て型どりが必要で、陰になるところがあると、人工の詰め物がはいらないので、健康なところも、構造上削らざるをえないのです。

では今日はこのへんで。ごきげんよう。