知彼知己、百戰不殆(孫子)

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

コロナはまた増えたり減ったり。曜日にもよるとのこと。

 

こないだ初めて、ZOOM勉強会なるものに参加致しました。

いやあ、すごい時代ですね。参加者が思いっきりセキ込んでも、全く気になりません。

自宅だからマスクもいらない。すごい。

今回のメインテーマは、親知らず抜歯の(下の親知らず)危険性についてでした。

難しい症例は、某大きい病院系口腔外科さんにお願いしているのですが、最近紹介した方で、

ただの埋まっている親知らずかと思いきや、親知らず+下顎のう胞(炎症がすすんだフクロ)で、全身麻酔で、顎の下(首の方からあける)からの大手術予定とのこと。

その患者様は、初回来院時、せっかく調べてここに来ましたので、お願いします、とおっしゃっていましたが、レントゲンをみて、かなり下のほう(首に近い方)(顎の骨の中の下の方)にあるようにも見えるので、患者様は不服そうでしたが、大きい病院に無理せず紹介いたしました。もしも自分で普通に歯茎から開けていたら、どうなっていただろう、と思いました。

そもそも町の歯科診療所は、患者さんが急変した時に、内科や救急、循環器科などがくっついているわけではないので、最低限の知識と、救急車を呼ぶくらいしかできません。

大学時代や研修時代も、上の先生に口をすっぱくして言われました。

「無理をするな。勇気ある撤退が、一番大事。本当に自分で抜けるか抜けないかを見極めるのが、

本当の勉強、本当の力量だ」と。

このような考えに至るのには、エピソードがありました。

大学病院で研修時代、口腔ガンの末期の人が、深夜に急変したのです。

グループの一番下っ端のわたしは、慌てて、上の先生に伝えると、

「歯科麻酔科を急いで呼べ」とのこと、急いて電話をすると、

「その状況では対応の限界をこえている。医学部循環器を呼べ」とのこと、急いで電話をすると、

「そういう時は、歯科麻酔科か口腔外科、歯科の先生が対応することになっているのではないのですか?」

とかなり怒られました。結局来てくれて、何かシールを貼ったり診察したりして、回復されました。

しかしその循環器の先生はかなり怒っていました。そして私に、帰り際にこういったのです。

「あのさ、責任もって最後までできない、わからないなら、最初からやるなよ。」

 

ぐうの音も出ませんでした。歯科口腔外科、医科の耳鼻科、医科の頭頚部内科外科、

この辺の領域の問題は、しばしば議論になります。

 

歯科医は、医者ではありません。全身の機序まで、完璧に国家試験を受けているわけではありません。

私は、無理せず、大きい病院にお願いする方が、絶対に正しいと思っています。

では、みなさま、ごきげんよう。

 

総力戦は過去のもの?

皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

なかなかコロナもおさまりませんね・・当院もパーテーション工事やら

フェイスシールドやら口腔外バキュームやら、さらにタービン購入やら、やるべきことは粛々とやっておりますが、

予約外で飛び込みの方がいらした場合、医療機関は原則断れません。それが度が過ぎると密になります。

密はいけません。

ではあらかじめスカスカの状況にすると、患者さんが予約をとりにくくなかなか治療がすすまなくなってしまう。

 

まるで「答えのないパズル」のようです。それでも、ベストを求めて日々頭を絞るしかありません。ふぅ。

 

・・そんなとき、やはり頼りになるのは先輩、先人です。

コロナ関係の医療機関向けの器具や設備の補助のことにはじまり、歯科医師会の先生方はいろいろと教えてくださいます。私なんぞにも優しく助言してくださり、本当に感謝しております。入会して良かったです。

入るのを迷っている先生や、入らないと決めている先生は、入った方が良いと思いますよ。

損得だけで考えたとしても、得のが多いと思います。

歯医者の世界は、昔かたぎの職人さんの世界に似て、技は教えてもらえない、見てぬすめ、自分で痛い思いをして考えろという部分も確かにあると思いますが、最近の風潮でしょうか、思った以上に、かなり年の離れた先生も優しいです。

 

将棋の世界では、若い藤井七段に、何でも食事を選びやすいように渡辺棋聖が一番高いのを頼んだり、藤井さんが御手洗いにたったときには、藤井さんの残り時間が少なくても指さなかったり。大人の気遣いがすごい。

木村王位は、封じ手の流儀を、優しく、そっと藤井七段に教えてあげたり。愛にあふれています。

 

・・勝負事ですよ?しかも人生を左右する大勝負ですよ???

今はこういう時代なのでしょうか。とても優しい。本筋の将棋のみで、純粋に勝負しようという風土が素晴らしく、そういった世の中の潮流なのかな、と感じています。

 

・・・昔のエピソードを見ると、将棋では、相手が熱いようにわざとストーブを相手に向けたり。

野球では、ケガの情報がマスコミに漏れると、先発のコマ不足がわかってしまうから、ファンサービスは一切しないが勝利至上主義で情報統制を敷くとか。サインを盗んででも勝つとか。相手のプライベートを耳元で囁くとか。

 

そういう時代ではなく、純粋に本線のみで、気持ち良く切磋琢磨する。それが、令和の時代なのでしょうか。

背景には、SNSなどの存在も大きいのでしょうか。ツッコミを受けるポイントがあれば、すぐに批判される。

そういうことも関係しているのかもしれません。歴史は繰り返す、って本当?とさえ思います。

 

・・ではみなさん、ごきげんよう。